以前から、進行がんの患者さんには「早期からの緩和ケア」が推奨されています。
余命が長くなると言う有名な論文もあります。もちろん現場に立つ身からしても
「早期からの緩和ケア」を受けた患者さんは楽に長生きできると感じています。
しかし現在の日本にはそんなシステムも、引き受ける医師も診療所もありません。
「がんは治療した方が長生きするに決まってる」
「治療をやめたら苦しむ、命を短くする」
と思われているからです。
そんなことないのです!
「これ以上治療したら体が持たない」
そういう感覚に患者さんは自分で気づいて「治療をやめたい」と思っている事が
多いのですが(本人がもっとも悩んでいます)、家族からの「頑張って欲しい」と
言われ治療を続け、実際には亡くなる直前~1 ヶ月くらい前に緩和ケアへ紹介され
ることになります。
まだまだ緩和ケアは「亡くなる直前の医療」と受け取られているのです。
私は以前から、まだまだ普通に生活できる進行癌の患者さんを外来で長期間診ています。
長い方は5年以上通院しています。
「治療を諦める」のではなく「より良く生きる」選択をしていると思いたいですね。
初診時は、患者さんは
「なんで私が緩和ケアに、、、」
と硬い表情で来院するのですが、帰るときには、
「良いところに来た~」
と穏やかな表情になって帰って頂けるようになって来ました。
それが嬉しいのです。
「在宅緩和ケア」はもちろんですが、「早期からの緩和ケア」を中心にやって行きたいです。
「病院には行きたくない患者さん」
「抗がん剤治療の効果の限界が見えて来そうな患者さん」
「治療継続に対する本人と家族の気持ちにズレが生じてきた(家族の希望で治療をしている)患者さん」
「がん治療を頑張りたい。しかし、頑張れない時も来るかもと思っている患者さん」
「できるだけ自宅で暮らしたいと思っている患者さん」
治療を続けたい人は続ければいい。がん治療中でも大丈夫です。
家族によるがん相談も受け付けています。紹介状がなくても大丈夫です。
通院が困難になれば、在宅ケア、すなわち訪問診療に移行し、最後まで生ききるための
お手伝いをさせてください。
徹底的に「本人の好きなように」生きるのを手伝うのが仕事です。
本人の希望があれば、入院治療や緩和ケア病棟入院のお手伝いも勿論致します。
がんと言われたら、苦しい最後が待っているわけではありません。
「緩和ケア」はあくまで、体が辛くないようにするための治療であり、単なる手段です。
「死ぬまで辛くなく生きる」
「できるだけ楽しく暮らせる」
「最後まで目一杯自分らしく生きる」
手伝いをさせて下さい。いや、そうしてくれるのは家族です。
その家族を手伝うのが私の仕事なのかもしれません。
緩和ケア 萬田診療所
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