緩和ケア 萬田診療所

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新型コロナウイルス問題への萬田の私見 part 8

私は在宅緩和ケア医。外科医をやめて12年間、がん患者専門家の外来緩和ケア、訪問診療をしている。95%の患者を亡くなるまでつきあう。「看取り屋」、、、ではなく、最後まで目一杯生き抜く手伝いをする「生き抜き屋」だ。
いまだ解決しない事の一つが、、病院勤務していた頃は肺炎患者を随分みたが、在宅ケアの世界に入って、自分の患者は肺炎で亡くなる人が殆どいないのに気付いている。理由はいまだにわからない。今回のコロナ騒ぎでそのヒントが見えてきた。

私は自分の知っている事を簡単にして発信しているつもり。私の風邪の知識と経験の1/100位を言葉にしている。ちなみに私は医師としては知識量は乏しいタイプだ。専門家は私の100倍以上知識がある。医学でわかっている事はそのまた100倍くらいある。医学でわかってない事はさらにその100倍ある。私や医療専門家の言う事が正しい訳ではない。どこにも正解なんてない。

 

何年か前から高齢者施設では全員にインフルエンザワクチンを打つようになり、抗ウイルス薬を使うようになり、高齢者の寿命がさらに伸びた。近年はインフルエンザが流行ると面会謝絶にして冬を乗り越えるようになった。予防的に抗ウイルス薬を飲ませている施設もある。今年は経済行動封鎖までして、高齢者がさらに死なないように頑張ってる。かなりバランスが悪い。

 

私は未曾有の世界恐慌が来ると思っている。せめて日本の被害を最小限に食い止めたい。でもいくら発信しても響く人はわずかだ。なぜなら、不況が来るとは想像してない人がほとんどだからだ。政治、経済界は気づいているはず。でも自分や家族の命が心配で政治決断にバイアス(国より自分が大切)がかかってるのだろう。

 

国策はコロナウイルスによる死者を減らす目的なのか。死亡者が減ったらどうなるか。死にそうな人が増えるだけ。来年にキャリーオーバーだ。だんだん延命者数は増える。来年の新型コロナか新型インフル、、再来年の、、どこかで大当たりが出るのだ。今年がここ5年間位キャリーオーバーさせた当たり年だろう。それさえもキャリーオーバーさせたいのか。それを問題の先送りという。何もいい事ない。

 

行動経済封鎖すれば感染者は減るのは当然だ。解除すれば感染者は増えるのも当然だ。感染力の強い風邪を封じ込めるのは不可能なのに。何年引き延ばしても感染する。時間稼ぎしてワクチンが出来るまで待ちたいのだろう。毎年来る新型風邪ウイルスにこの「死のキャリーオーバー作戦」は寂しい。

 

アメリカで暴動が起きて、経済封鎖が解除され、死を受け止め、病院機能が崩壊し、病院機能が回復し、ただの風邪だと気づく。アメリカが気付いてから、、、日本も気づくのだろう。経済封鎖はするべきじゃなかったと。最後に気づいた日本は経済回復も最も遅れる国になるだろう。今は感染を封じ込められていると医療班が喜んでいるだけだ。国の先を読むのは医療じゃなく政治だ。マスク配って、批判しあってる場合じゃない!オリンピックなんて無理だ。経済的に。開催しても人は来ない動かない。店がないから経済効果もない。

 

風邪ウイルスは撲滅出来ない。どんどん新型になるから。感染拡大を遅らせることは出来てもいずれ感染する。逃げきれないのに早く気付いて欲しい。生涯隔離しない限りは。逃げたい人は逃げればいい。自分で逃げられない人、逃げる意志のない人を経済破綻をかけてまで、かくまうのはどうだろう。そろそろ大規模風邪疫学調査もやめようよ。

 

まだクラスターを追いかけている。まだ、防げない風邪の蔓延を防ごうとしている。実は最大のクラスターは全国に沢山ある高齢者施設だ。4蜜5蜜で暮らしている。ここが最終的には感染者と死亡者の殆どになる。永久に封じ込めることは不可能だ。毎年新型風邪ウイルスが来るのだから。若者を殺し(封じ込め)たり、経済破綻しても死者を減らしたいなら、この最大のクラスターをなんとか、、、ならない。

 

目も耳も歯も脳も肺も胃も生殖機能も免疫システムも全て一緒に老化するわけではない。人によりそれぞれの臓器年齢と寿命が違う。全ての臓器、システムが年齢どおりに老化するなら、みんな平均寿命ぴったりに死ぬ。そうじゃない。認知症の人は早く脳が老化した人。薄毛の人は早く髪の老化が来た人。早く癌化する人もいる。若くても免疫システムが脆弱な人、、人それぞれなのだ。若くても弱い人は死ぬ。高齢でも死なない人はいる。

 

新型コロナウイルスに感染したら死ぬ、、、人もいるが、全て死ぬわけではない。感染しない人、感染しても症状が軽い人、重い人、亡くなる人、分類すれば4段階、、、ではなく無段階にいろんなパターンがある。曝露したウイルス量とその人の免疫システムの度合いによって、気づかぬ人〜亡くなる人までいる。

 

ウイルスが体に入ってくる。体にはいろんな防御システムがある。ウイルス量が少なければ体に入ってくる前に死滅する。免疫システムすら作動しない。ウイルス量が多ければ体に入ってきてウイルスが増える。つまり感染する。そういうシステムは人によって違う。歳を取ればシステムは衰える。若くても弱い人もいる。高齢でもシステムが保たれている場合もある。

 

ウイルスが体に入ってきて増えだしたらそれが感染だ。ウイルス量にもよる感染の度合いと体の免疫システムの具合のせめぎ合い。体が簡単に勝てば感染に気づかずに終わる。すこし攻めらても制圧すれば、症状が軽くて済む。かなり攻められても食い止められれば、、高熱などの症状が出て治る。
 免疫システムが弱ければウイルスが増え続け、占拠された細胞は本来の機能が出来なくなる。免疫システムがウイルスに占拠された自分の細胞を殺す。免疫が攻撃し過ぎても炎症が広がりすぎて自分自身の細胞を機能不全にする。呼吸の細胞がやられれば苦しくなる。

 

高齢感染者の体内ウイルス量は少ないだろう。少量ウイルスの感染でも体が耐えられないから。戦争に例えれば、多数の老兵がいても、少数精鋭部隊であっという間に壊滅させられてしまうような戦いだ。その場合、人工呼吸器の助けを借りてもあっという間に負けてしまう。ウイルスが増える間もない。施設でも看れるのでは。

 

若壮年者の体内ウイルス量は多いはず。大戦争が体の中で起きている。更に人工呼吸器をつければ戦いを引き延ばす事になるから、ウイルス量は更に増える。その時勿論ウイルスは大量に排出される。人工呼吸器周囲は3蜜程度の感染危険じゃすまない。おそらく30000蜜以上の危険区域だ。いくら感染防御をしても防ぎきれない事もある。大量のウイルスを浴びれば免疫システムがしっかりしている医療従事者でも感染し重症化するだろう。院内感染なんか防げない。

 

人工呼吸器の治療で回復する人は少ない。呼吸器は治す治療ではなく時間稼ぎだ。ウイルス感染に体が負けた人は呼吸器をつけても治らない。免疫システムがしっかりしているがウイルス曝露量が多く体内でウイルスとの戦いに苦戦している人、、、にとっては有効だろう。ECMOなどは医療者感染のためにとっておくべきだ。

 

大量にウイルスを排出する人に濃厚感染すれば、いくら免疫機能のいい人でも感染して症状が出るだろう。病院で感染防御をしても完璧は防御はない。恐ろしく多量のウイルスを持っている患者もいる。結果的に亡くなる人を治療して頑張れば、大量にウイルスを培養増殖させているだけなのかも知れない。これが病院だ。若い医療従事者でも死ぬ可能性は高くなる。

 

みんなワクチンや治療薬を待っている。私は風邪ウイルスは人類にとってきっと必要なもの(私にとっては死かもしれない)だと思っているので、ワクチンや抗ウイルス薬は使いたくない。ワクチンは許しても、抗ウイルス薬は断固拒否する。使いたい人は使えばいいと思うが、使いたくない人まで使わなければならない世界になりそうで怖い。

 

抗ウイルス薬はウイルスだけやっつけるものではない。そんなはずはない。必ず体に見えないダメージがくるはずだ。私にとっては抗がん剤と同類だ。そんなものを自分の体に投与したくない。だから勧めない。私は10%の人が亡くなるウイルスなら使うかもしれないが、1%なら、、、1%でも10%でもリスク管理は人によって違う。違っていい。薬は使いたい人が使えばいい。強制的にワクチン、抗ウイルス薬を使わされる時代が来そうで怖い。すでに強制的にワクチンを打ち、抗ウイルス薬の予防投与をさせられている施設もある。

 

  2020.04.25